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十方山
【じっぽうやま】


県西部,佐伯郡吉和村と山県郡戸河内町の境にある山。西中国山地のほぼ中央にあって標高1,319m。県内では3番目に高い。山は石英斑岩からなり,長さ4km,幅500mの広い平坦な頂上には流紋岩が分布している。「芸備国郡志」には十方辻とあり,陰陽を含む十方の眺望がきく(十万見はるかす)高い山として,北は日本海から南は瀬戸内海まで展望ができる。「日本書紀通証」神代紀には安芸国可愛の川上条に出ており,石窟に大蛇がすみ,常に霧が立ち込め風雨時ならずとある。斜面はブナ林であるが平坦な頂上は一面のチマキザサの群落に覆われている。珍しい昆虫ではキベリゴマフエダシャクやルリボシカミキリがいる。北西麓は細見谷,南東麓は太田川の谷で県天然記念物の押ケ峠断層帯であり,西中国山地国定公園に入っている。西側は吉和村でブナの原生林。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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