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白糸滝?
【しらいとのたき】


小滝ともいう。呉市広町の北端にある滝。昭和42年に市名勝に指定。県名勝・天然記念物二級峡の約1.5km南に位置する。西から広大川に流れ込む白糸川(小滝川)にかかる。標高130mにある落差38.1m,幅約6mの垂直瀑で,1段の垂直瀑でこれほどの高度をもつものは瀬戸内海周辺では稀であるという。岩盤は高田流紋岩類よりなる。「芸藩通志」に「白糸(しろいと)滝……一に小滝といふ,大滝にむかへていふなり。傍に観音堂あり,又芭蕉が句を刻て石を立つ」とある。大滝は二級滝を指し,また観音堂・芭蕉塚は今も残る。芭蕉塚は江戸期に芭蕉の句を刻んで建碑されたものだが,誰によるものかは不明である。滝に打たれて修行する人もみえる。白糸滝の上にはもう1つ滝があるが,その上の標高200mの平坦面からは礫が発見されており,かつて黒瀬湖の水がここを流れていたことをうかがわせる。滝の北東の丘には慶長以前にさかのぼると考えられる恵現寺の跡があるという。二級滝に比べてあまり知られていないが,静寂な雰囲気があり,ハイキングコースにも適している。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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