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瀬戸池
【せといけ】


福山市瀬戸町地頭分(せとちようじとうぶ)・瀬戸町長和にある池。堤高14.5m,堤長105.5mの土堰堤をもち,水面標高約30m,有効貯水量40万m(^3),受益面積83ha。春日池,服部大池と並び古くから備後の三大池といわれ,「沼隈郡誌」によると「十四町六反七畝二十六歩,沼隈郡第一の大池にして,繰樋の長さ七十三間余,上手樋幅五間,馬踏八間余あり,筒井川志田原川流入す。池の水は瀬戸川となりてかんがいに供せらる」とある。瀬戸池改築記念碑によれば,寛永14年福山藩主水野勝成の命により普請奉行神谷治部氏の監督の下に築造されたという。神谷治部は多数の土木工事に優れた手腕を発揮し,備後の三大池はすべて彼の業績と伝えられる。「福山市史」によれば,この池独特のものは底樋にあって,長さ73間(約132.8m),人の通れる洞門となっており,しかも岩盤をくりぬいて造られているという。また古くは,長和の大池とも呼ばれ,明治以降,瀬戸池と名づけられ,固定化したという。昭和39年10月~同42年3月にわたって堤防余水吐樋門等の改築を行っている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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