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高尾山
【たかおさん】


岩谷山ともいう。広島市中心部の東,東区安芸町地区にある山。呉娑々宇(ごさそう)連峰の南西で,呉娑々宇山から西へ延びる山稜中の1ピーク。広島市と安芸郡府中町との境界部にあたり,標高424.5mの三角点が置かれている。山体は黒雲母花崗岩よりなり,山頂~山腹に露岩が散在している。南山麓にはこの付近最大の渓谷である水分(みくまり)峡がある。三角点から稜線沿いに南西に石段を少し下ると岩屋観音の観音堂がある。現在閉鎖されているが,鐘楼の鐘は船越村の名工が寛永8年に納めた物といわれる。ここから北西山麓の下温品清水谷神社に向かって参道が延びている。観音堂の上部には展望台もある。南山腹には平家城址の存在が伝えられ,「芸藩通志」に「昔平家敗走して,田所氏に托して暫此地に居けるが後亦赤間関に送りける」とある。また南山麓の水分峡には水分神社があり,「芸藩通志」によれば「みくばり神社」として古くから水の神を祀り「雨を祈るに験あり」という。昭和47年,市民いこいの森が建設され,レクリエーション施設も整備されている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7189582