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高谷山
【たかたにやま】


三次(みよし)市の西南部にそびえる山。標高490.8m。山体は主に閃緑岩で構成され,岩石の風化帯中の磁鉄鉱は,良質の砂鉄を供給した。北麓には県史跡の岩脇古墳があり,周辺の小円墳を合わせて古墳公園になっている。近世から明治初年にかけては,製鉄用砂鉄採集地として知られ,山頂に近い一帯には10か所の鉄穴(かんな)跡が残る。ここの砂鉄は刃物用でなく,鍋とか農具に使用されたようである。現在麓から頂上まで約4kmにわたる登山道路が通じ開発が進む。頂上には展望所も設けられ,晩秋から初春にかけて三次盆地を覆う霧の海を見物する市民が多く訪れ,比熊山・岩屋寺と並んで市民に親しまれている。展望所のある頂上付近はキャンプ場もあり,夏には多くのキャンプ客が訪れる。昭和35年には,NHKの中継局が設置され,続いて,中国テレビ・広島テレビ・広島ホームテレビの中継局も設置された。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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