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武田山
【たけだやま】


「たけたやま」ともいう。広島市北郊,安佐南区祇園町東山本にある山。標高411m。中世には山麓の桑原郷が安芸内陸部の各荘園の倉敷地で,川舟から海舟に積み替える港もあり,広島平野,可部平野一帯の眺望の良い当山に承久3年安芸国守護の武田信宗が銀山城を築いたという。以来,天文23年毛利元就に攻め落とされるまで約230年間同城は続いた。一時毛利氏の隠居所であったが,天正19年に毛利輝元が広島に築城後衰退した。花崗岩の山は標高200m以上が険しく,頂上には巨石や洞窟があり,城跡付近の高間の壇・下間の壇・馬返し・千畳敷・馬場などの地名や観音堂跡,中腹の要衝には近世城郭の升型の原型といわれる鍵手の石積みを残す御門・裏木戸が残り,麓には新羅神社・日吉神社がある。標高250m以上は銀山城跡の名称で県史跡に指定され,中国自然歩道も予定されている。山麓は宅地化が進み,広島経済大学・県立祇園北高校・祇園中学校などの教育機関もある。山頂から西の火山には神武天皇烽火の伝説がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7189666