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田島
【たしま】


沼隈郡沼隈町南沖合いの島。全島沼隈郡内海町に属す。面積8.52km(^2),人口2,318。西の防地ノ瀬戸に睦橋が架かり横島とつながる。南部の高山が最高点で300m前後の峰を持つ急峻な山塊を示し,東側に内浦山の小山塊が接続する。平地は接続部と島の西端に少しあるのみでほとんどない。海食崖は南海岸に発達する。集落は西端の町が中心で,町役場などがある。南に平・南・明見の集落が連続する。北海岸には大浦・天満・釜谷,接続部には内浦の集落が点在する。これらの集落は兼業農家が多く,農業は山麓斜面でのミカン栽培が多い。東海岸の箱崎は半農半漁の集落であるが,漁港があり,漁業中心である。かつては鰯網が中心で,田島いりことして知られていた。しかし,現在は島の北岸,南岸で海苔養殖が盛ん。島では近世初頭より麻網製造が始まり,その技術を生かして島民は九州北岸まで出かけ捕鯨労働に従事した。また,明治初期には沖打瀬網が中心であって,明治37年頃からはフィリピンのマニラ湾に漁業移民として進出した。島への交通は北端幸崎と対岸敷名との間に町営フェリ―の航路がある。東端の阿伏兎ノ瀬戸一帯は瀬戸内海国立公園に属し,馬場崎には海水浴場・キャンプ場がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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