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土山
【つちやま】


呉市広町の北端で同市郷原町との境界にある山。灰ケ峰山頂から北東に延びる山稜の北端のピーク。標高607.2mを示す三角点が置かれている。高田流紋岩類よりなり,北山腹を除いてなだらかな山容をなす。北山麓は緩斜面をなし,崖錐性堆積物よりなるが,黒瀬盆地に近づくにつれ西条湖成層がみられる。東山麓に県名勝の二級峡,南東に市名勝の白糸滝がある。「呉市史」第2巻によれば,寛文12年の郷原村古図に大積土山の名が見える。また,近世末期の作と考えられる古図には御留大積土山とあり,山中に観音堂が,山下に仏生滝(二級滝)が描かれている。この様子は「芸藩通志」の村図にもみえる。留は当時藩が管理していた留山であったことを示す。寛文4年には野呂山,南西隣の江ノ藤山とともに山論が発生し,広村と郷原村の間でこの山の山林・下草等の利用をめぐっての争いがあったという。なお,北西山麓の大積付近は市天然記念物のブチサンショウウオの生息地。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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