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天狗石山
【てんぐいしやま】


山県郡の西北,芸北町と島根県旭町との県境にある山。標高1,191.8m。西中国山地国定公園のうち。県境をなす稜線上には東に三ツ石山・阿佐山,西には来尾峠を隔てて一兵山家(いちべえさんか)山が連なる。山はブナを主木とする落葉広葉樹林で,所々に天然杉が点在。稜線はササ原となる。来尾峠からは尾根伝いに阿佐山までの縦走路があり,格好の登山コースとなる。南麓大暮では藩政時代から鈩製鉄が続けられてきたが,明治34年,大暮に山県製鉄所設立。その原料炭として大正初年,天狗石山の天然林を伐採した。南側中腹の本峠にはこの山にたてこもり数年機織をして過ごしたといい伝える二位の尼と安徳天皇を祀る乳母御前神社がある。昭和34年,山頂付近に無線中継塔が設置され,同時に南麓から車道が通じた。現在,天狗石山から阿佐山にかけては大部分が町有林で各所でスギ・ヒノキの造林が進む。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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