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道後山
【どうごやま】


県北東部,比婆郡東城町の北端にある山で鳥取県境をなす。標高1,268.9m。山陰と山陽を分かつ標高1,200m級の備北山地を形成し,西に比婆山連峰が続く。道後山自体は,西1kmの岩樋(いわひ)山(1,260m)と合体した山塊。谷は浅く,幾重にも連なる山地上に丸く張り出す姿が特徴。山頂に残る平坦面は隆起準平原とみなされ,南側斜面に分布する標高約900mの平坦地(前座野呂)はたたら製鉄の名残をとどめる。地質は,標高1,000m前後に堆積岩である古生層を介して,下部がクロム鉄鉱床を含む蛇紋岩,上部が角閃石黒雲母花崗岩,石英閃緑岩で,閃緑岩はたたら製鉄に供された。山頂付近の平坦地はなだらかな草原で,放牧地も広がる。南は,一段低い吉備高原を見渡せ,雲海も素晴らしい。豊富な高山植物に加えて,ミヤマツツジやタニウツギの群落があるほか,小鳥類および北方系昆虫に富む動植物の宝庫。また,スキー場もあり,四季を通して県民に親しまれる。比婆道後帝釈国定公園に編入されている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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