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二級峡
【にきゅうきょう】


呉市広町の北端,郷原町との境界部にある峡谷。黒瀬盆地南端断崖下に約300~500m続く。県名勝・県天然記念物。賀茂台地中の黒瀬盆地を南流してきた黒瀬川は,ここで100mの落差をもって流下,二級峡をつくり広大川となって瀬戸内海に注ぐ。岩盤は黒雲母花崗岩よりなる。「芸藩通志」は賀茂郡名勝として二級滝をあげ,「世に広の大滝と称す……当国第一のたきなり」と記している。また,村図に大滝また仏生滝と記されている。峡谷の上流側には貯水池があり,ボート遊びが楽しめる。また,この周辺では植物遺体を挟む湖成層などが観察できる。貯水池下流側では霧滝,渦滝,男滝とその円形滝壺,二級の滝,第2滝壺と複雑な地形が形成されているが,さらに,その間の河床に様々なタイプの甌穴があり,県天然記念物に指定されている。約80個もの様々な甌穴のあるこの場所は甌穴の成因や峡谷の形成を考察するのに適切な場所である。身近なレクリエーション地域として市民に親しまれている。なお,峡谷下に発電所・水源地がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7190154