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灰ケ峰
【はいがみね】


呉市中心部北東寄りにそびえる山。ピラミッド形の優美な山。山頂に標高737.0mを示す三角点がある。高田流紋岩類の岩石よりなり,地形学的には東隣の野呂山塊等とともに賀茂台地上に突出する山塊の1つ。南山腹は急傾斜をなし大部分が荒地で露岩が散在する。北山腹は緩斜面で森林をなす。北東山腹も緩斜面で江ノ藤山,上山に続く。山麓は全体的に傾斜が緩い。「芸藩通志」に「灰峰(はいのみね),名義詳ならず,或は云,山頂の土,灰のごとし,故に名づく」とある。「呉市史」第1巻によれば,古くは船材用の檜を多く産した。また,江戸期には一部が柴や下草を採る野山として利用された。第2次大戦中は軍都呉市防衛のため山頂に高射砲陣地が,また戦後しばらくは進駐軍施設が置かれ登山禁止であった。現在は砲台跡は展望台に変わり身近な登山コースとして市民に親しまれている。山頂からは四方の展望が楽しめ,晴れた日には四国まで望めることがある。山頂まで観光道路が通じ,将来,野呂山・休山と結ぶスカイラインの建設も予定されている。また,山頂には中四国をカバーできる気象レーダー観測所が設置され,威力を発揮している。また,ヘリポートもある。なお,北西山腹の数か所から弥生式土器が発見されている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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