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走島
【はしりじま】


燧灘の,岡山県境付近にある島。全島が福山市走島町に属す。面積2.72km(^2)。島は花崗岩よりなり,山地が海岸に迫る。島の南端,標高179.7mが最高点。平地はほとんどないが,島を南北に分ける地峡部と東岸唐船の砂州部分にわずかにみられ集落が立地。海岸はほぼ全域が海食崖。島の歴史は「沼隈郡誌」によると福山藩主水野勝成が入城後領内を巡狩し,この島が無人島では難船が出た場合不便なので居住者を募り,元和年間,常石の村上太郎義隆が家臣4人とともに移住,開拓したことに始まるという。藩政時代は村上氏が代々庄屋を勤めた。明治以後も村として存し,昭和17年鞆町に,同31年福山市へ合併された。島の玄関は走島で,鞆との間に定期船が通う。東の唐船は漁港。島の耕地はわずかのため産業の中心は漁業。古くから瀬戸内海タイ網の中心であった。現在はイワシ網を中心に各種の漁業が行われる。漁業経営体数は210に及ぶ。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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