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聖山
【ひじりやま】


山県郡の西部,芸北町と戸河内町の境にある山。標高1,113.2m。西中国山地国定公園のうち。山城の字名は比尻(ひじり)。丸みを帯びたなだらかな山容を示す。南に奥三段峡の渓谷を挟んで砥石郷山・恐羅漢山,北には高岳など標高1,000mを超える山々が連なる。聖山では藩政時代からたたら業に使われた馬が放牧され,採草にも利用されてきたが,明治44年八幡村樽床(たるとこ)の人々によって共同放牧場が設置され,毎年春秋の農繁期には多数の牛馬が放牧された。その後,柴木川の上流に樽床ダムが建設され,樽床が湖底に沈んだ昭和32年に牧場は廃止。現在,中腹では植林が行われたが,山頂一帯はススキや笹に覆われた草山で,ハイキング等に親しまれる。聖山の東側中腹を越えて南方の中ノ甲へ通ずる道は,藩政時代以来のたたら道で昭和10年頃から30年頃までは炭や木材を樽床経由で加計(かけ)へ搬出した林道。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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