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仏王寺山
【ぶつおうじさん】


佐伯郡の中央,佐伯町津田字林にある山。標高522m。南東に続く尾根は同郡大野町との境。東に接する下勝成山と花崗岩山地をつくる。屹立する山頂は硬い岩盤が露見し,険しさを有する。北麓は広い緩斜面と奥深く谷が発達する丘陵をなして津田盆地となる。山頂から尾根を西に進むと岩場があり,巨岩が天然の堂を形づくる中に石地蔵が祀られている。信仰と親近感が一体となった話題の多い石地蔵である。人々が,何度木造の堂を建立しても,翌朝には木堂は谷に落ちている。嫌がった石地蔵が投げ捨てるという話。また,祝いの席に石地蔵を同席させる風習があった。運びおろす時は大変重く,戻す時は実に軽いという。石地蔵が下山を嫌うから重く,帰りは喜ぶから身を軽くするという話など,「仏王寺さん」は人々に親しまれてきた山である。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7190730