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船越峠
【ふなごしとうげ】


神石(じんせき)郡油木町油木字高水池(こうずいけ)と同郡豊松村上豊松字八鳥(やいとり)の境にある峠。仙養高原上に位置する。標高570m。近世には,油木町の中心地油木市から上豊松を経て,油木町東部の備後・備中国境の杖立を通り,備中国川上郡高山市(現岡山県川上町)に至る高山路が通り,東城路との分岐点市場下の歌の御堂の前に,牛馬安全を祈る道標碑が残る。碑には「右ふくやま路 左かうやま路」と記されている。高山路の最高所(高水池地内)には,2m余の宝篋印塔があり,後醍醐天皇の偽陵と伝える。また沿道には,巨人の足跡と称する足跡状の1反程度の1枚の畑地があり,この右足跡とともに左足跡に該当する地は備中にあるとされていた。現在右足跡の畑地は荒地と化し,伝説のみの存在となった。大正末年には県道油木芳井線が開設され,かつての峠は一本木峠と称され,新道の峠を船越峠と呼ぶようになった。現在では,この県道により油木町と豊松村および岡山県芳井町間にバス路線が開設され,高原地域の交通は改善されている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7190749