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船島
【ふねしま】


生野島の南にある島。全島豊田郡東野町に属す。無人島。周囲約2.5km。東野町の西側は島が点在し,内浦と呼ばれるが,船島もその1つであって,「芸藩通志」では「ふ子しま」となっている。ほぼ中央に黄幡山がそびえるが,山容は尖峰をなす。福本清著「大崎上島東野村史」上巻によれば,頂上の巨岩(高さ約5.8m,横6m,縦3.3m)は磐座と伝え,原始的な神社ではなかったかという。また,島の北西岸の柳ケ浦から須恵器,南岸部の奥地より師楽式土器が数片出土し,製塩に関係したであろうとの指摘がある。この島は江戸期~大正期を通じて造船(木造船)の地であったというが,他方では中生代白亜紀の高田流紋岩の風化した粘質土が瓦の原料になり,本土側の安芸津町の方から採取に来ていた。島は東野町の役場がある白水の対岸に当たり,その水道は大崎瀬戸で水深は22~26mに及び,鮴崎(めばるざき)港内である。なお,島の東岸ではかつて真珠の養殖があったが,現在は廃業し,みかん園があって農船が往来する。付近は瀬戸内海国立公園の区域。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7190759