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平家ケ城山
【へいけがじょうやま】


山県郡の東部,千代田町にある山。標高619.7m。千代田町の北部中央を占め,東西の山麓を江の川(ごうのがわ)とその支流志路原川が流れる。「芸藩通志」の「城址」の項に「別に平家と呼ぶあり,又一古堡あり,毛利氏烽燧の所と言ふ」とあるが,遺跡の所在は不明。江戸期以降,俗に「はげら」と称する樹木の生育しない荒廃地が広がり,この山の西に連なる権現山との間に水源をもつ小川,地面川がたびたび氾濫し,流域の春木に水害をもたらした。文政2年,「国郡志書出帳」には「地免川と申す川へ同村山中より砂夥しく流出,田地よりも右川筋高く相なり,左右の田地へ砂流込」と窮状が訴えられている。昭和11年以降その復旧工事が始まり,現在では山は松や落葉広葉樹の雑木林に覆われ,砂の流出も止まった。流域の山林は保安林に指定されている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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