100辞書・辞典一括検索

JLogos

10

発喜山
【ほっきざん】


「ほきざん」「はっきざん」ともいう。また,野間山とも呼ばれる。広島市南東部,安芸区矢野町の南西部にある山。標高476m。黒雲母花崗岩よりなり露岩が多い。隣接する明神山・絵下山とともに矢野三山の1つ。「新修矢野町史」では,「ほき」という語は崖を表す語であるので,東・西・北山腹とも急で,城址が急崖上にあることからの山名と推測している。山頂から少し北東に下った高さ420mの独立峰に保木(発喜)城址がある。これは,中世に勢力のあった豪族野間氏の本城で,当時はこの城を中心に山麓に武家屋敷・寺院・市・町屋等が置かれ,軍事・政治・経済・文化の中心地として栄えた。山麓に残る土居・奥ノ坊・門前などの地名はその名残と考えられる。現在,城址には野間勝興を祀る野間神社がある。さらに山稜を北に進むと,同じく中世の山城であった矢野城址がある。山頂からの眺望は良く,最近南隣の絵下山とともにレクリエーション地域として整備が進む。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7190840