仏ケ峠山
【ほとけがたおやま】

島根県境の双三郡布野村西部にある山。標高592m。地質は黒雲母花崗岩。布野川が鋭く刻む東麓は深山幽谷を呈するが，西麓は双三郡作木村境にかけて高原状の緩斜面。上布野から横谷に抜ける出雲街道は東麓を避け，西麓を通じていた。鞍部は仏ケ峠で標高約510m。小さな２体の石地蔵や，牛馬の通行無事を祈る「仏ケ峠大仙神社八尋殿」と記された小祠がある。古老によると，伊能忠敬も当地を通って測量をしたという。東麓の谷沿いに国道54号が開通し，牧場や横谷小学校観察自然林がある。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7190843