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弥山
【みせん】


佐伯郡宮島町,厳島の東半分を占める山。標高529.8m。厳島神社の背後にあって黒雲母花崗岩からなる。山名は須弥山に由来し,御仙とも書かれた。稜線は鋸歯状で山頂は花崗岩の布状節理による円頂丘や巨岩が多く,しし岩,厳島合戦の古戦場となった駒ケ林,ほかに岩くらと称する自然信仰の牛岩,幕岩,絵馬岩,曼荼羅岩,頂上岩,力石,水晶岩や岩の崩落によって生じた竜ケ窟,三剣窟などがある。北斜面は大正2年に来日したベルリン植物園長エンブラーが感嘆したという弥山原始林で,160haの広さにツガやモミの針葉樹,アカガシ・ウラジロガシなどの常緑広葉樹が茂り,この原始林は昭和4年に国天然記念物に指定された。山頂には大同元年弘法大師が100日間の求聞持の修法を行ったとされる大聖院所管の弥山本堂と呼ばれる求聞持堂があり,向かいにある不消霊火堂の火は1,000年以上も不消で平和公園の平和のともしびの元火となった。このほか三鬼堂・大日堂・毘沙門堂がある。東にある獅子岩にはモンキーセンターや広島県野鳥放飼場があり,紅葉谷からロープウエーで登ることができる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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