明神峠
【みょうじんとうげ】

広島市安佐北区安佐町鈴張と山県郡千代田町本地の境にある峠。西方の海見山と東方の冠山の鞍部に位置する。標高430m。近世には，東方の可部峠越えの石見浜田路の迂回路として利用された。元和５年の「知行帳」には，「せきや村」の名がみえる。「芸藩通志」では南の鈴張村との境界を絵図には示さず，「郡中国郡志」は「往古ハ関所ニ而茂御座候而関屋ノ名残居申候ト奉存，異説ニハ飯室村ニ属シ候申伝候得共，拠無御座候」と記す。関の城の地名が残る。現在国道261号として利用されており，これに並行して中国自動車道も走り，交通上の幹線となっている。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7191184