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休山
【やすみやま】


呉市の中心街東部で,南西に突出する半島状の休山山塊中央のピーク。標高500.8m。瀬戸内海国立公園に属す。粗粒黒雲母花崗岩よりなるが,花崗斑岩岩脈(音戸岩脈)が北東~南西方向に数条貫入している。また,山頂付近は細粒黒雲母花崗岩である。山腹に急崖,露岩,山崩れ跡が散在する。東山腹から山麓にかけて断層地形のケルンバット状の地形がみられる。「呉市史」第1巻によれば明暦元年から藩有の建山とされ,「芸藩通志」にもその名がみえる。山麓には貝塚や中世の城址が散在する。第2次大戦中は南部に砲台が置かれ軍事地域であったが,戦後は自由に登山ができるようになり,身近なレクリエーション地域として市民に親しまれる。山頂には展望台があり,数々の軍艦やタンカーを建造した造船所,海上自衛隊基地等が,瀬戸の島々や四国山地が望める。最近,山塊の南西端にある音戸ノ瀬戸から稜線沿いにハイウエーの瀬戸内パークラインが建設された。これは,将来灰ケ峰・野呂山を結ぶハイウエーと連絡する予定。花崗岩が風化して崩れやすくなっていることもあり,山腹・山麓の急傾斜地では多くの山崩れ・崖崩れが発生している。特に,昭和42年の豪雨で山頂付近に発生した山崩れは巨大な土石流となって東山麓の大入小学校を破壊し海へ押し流した。死者14名,負傷者43名という惨事をもたらした。北東麓では旧海軍計画の国道185号休山バイパスの実現をめざす。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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