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山里
【やまざと】


旧国名:安芸

(中世)戦国期に見える広域地名。安芸国佐西郡のうち。大永5年2月13日の厳島社神主家奉行人書状に「山里土毛田之内大窪名弐貫五百文」と見える(大願寺文書)。佐西郡山間部の汎称で,現在の佐伯町・吉和村・湯来町に比定される。天文13年5月18日の厳島年中祭料条々案并陶晴賢奉行人証判によれば,山里のうち土毛田・吉和・麻原・虫所山は山里四郷と称されている(厳島野坂文書)。当地は本来厳島社領で,天文10年大内氏の支配となったが,大内氏は改めて厳島社に寄進した。厳島社には,同14~20年にかけての「山里納銭」の請取状が多数残る(野坂文書)。同20年陶晴賢が大内義隆を襲って一時支配権を得たが,同23年には山里一揆が起こり,当地一帯で毛利氏との戦闘が続いた。一揆は同年10月13日敗北し,以後当地は毛利氏の支配下となった。同24年8月22日毛利元就・隆元は,新屋実満に「山里要害城番」の功を賞し給地を宛行うなど(閥閲録85),毛利氏は当地内を家臣に分給した。また厳島社には大内氏と同様に山里納銭により祭事料とした。毛利氏時代の厳島社領を記した元和5年7月13日の厳島社社家供僧内侍三方給地等付立によれば,「山里村」の128石が厳島社領であった(厳島野坂文書)。慶長6年の福島検地により当地名は消滅した。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7191401