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吉谷山
【よしだにやま】


島根県境,双三郡布野村横谷にある山。北東約17kmにそびえる大万木山山塊の西端。山塊は西に低くなり横谷では標高600m程度の尾根となる。布野川支谷の吸谷と吉谷流域の山の総称。県境近くに流紋岩およびその凝灰岩,西部に橄欖石玄武岩が部分的に分布する。全体に黒雲母花崗岩が主である。山名は,古老によれば,開拓当時ヨシが群生していたことにちなむという。鈩製鉄が盛んであった。吉谷の蓬原(よもぎばら)鍛冶跡,吸谷の捨金鈩跡や吸谷製鉄所跡は有名。吉谷が布野川に合流する上布野字落合に広島鉱山落合作業所跡とその案内柱が立つ。西方にそびえる女亀山との間は旧出雲街道の地。県境近くの高所に一里塚跡が残る。現在は国道54号が赤名トンネルで抜けるため,人目に触れない旧道と峠になった。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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