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吉松山
【よしまつやま】


呉市の東部広町と東隣の仁方町との境界にあり,野呂山の南西麓に当たる。北西~南東方向に延び,その北のピーク。標高287.4mを示す三角点がある。黒雲母花崗岩よりなり,山麓には緩斜面が取り巻く。「呉市史」第1巻によれば,山頂の西山麓にある船津神社付近をはじめ山麓に貝塚が点散し,旧海岸線の位置が推測される。また,山頂の北西山麓にある弁天社を祀る小丘は,城ケ鼻またトウノ鼻と呼ばれる中世の城址。「広村地誌」に,丘の斜面を掘って洞窟を造り,上階や城壁の形跡もあったが今は畑と化しているとある。なお「芸藩通志」にはこの山は「建船津山」と記され藩有林。仁方町の山麓には水田・溜池が多く,広町側は畑が多い。しかし,近年の広町の発展に伴いしだいに住宅が密集しつつある。弁天社の近くに旧呉第二高等女学校跡を利用した広中央中学校がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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