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米見山
【よなみやま】


神石(じんせき)郡豊松村の中央にそびえる山。標高662.6m。吉備高原の一角,標高500m前後の緩やかな小起伏面に玄武岩が噴出し形成された鐘状火山。山頂からは近郷・近在を一望できる。東麓に市場町四日市が立地し,現在も豊松村の中心となっている。天孫降臨の際,この山から国見をしたと伝えられ,また,山頂に石塔があり,「元弘三年後醍醐帝隠岐より御還幸の節賊を欺く為,畏くも御崩御を装ふて,当村新庄城主内藤河内守実豊の臣井上勝正勤王の志を以て一石方五尺堀を廻らしたる五輪の石塔を建立し山陵を模造せり」(神石郡誌)という。こうした伝承はこの山が修験山伏の道場となっていたことと無縁ではない。今日なお,霊峰と仰がれている。南麓の臨済宗永源寺派松源院は米見山の修験道を管理していたのではないかと考えられている。竜王山という別名をもち,雨乞の祭場でもあった。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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