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与茂九郎池
【よもくろういけ】


豊田郡本郷町南方(みなみがた)にある池。堤高10m,堤長80m,水面標高約240m,有効貯水量17万m(^3),受益面積60haの灌漑用溜池。与茂九郎谷にあるところからこの名がある。この池は南方村の中農の家に生まれた篤農家,児玉政次郎によって造られ,明和8年着工,4年の歳月をかけて安永3年に完成。池築造前における下流の尾原地区は,わずかな渓流に頼り,その大半が天水田であったという。与茂九郎池築堰碑によれば,庄屋の児玉政次郎は溜池の適地を求めて山に入り,十八原(とよばら)谷の上流にそれを発見,水路を掘削し,築堤を行って池を完成させたという。さらに,その後旱魃の心配はなくなり,子孫に引き継がれ,のちに池底を深くし,堤防のかさ上げを行って貯水量は倍加したという。明治24年には,池の中に芦白神社という小祠を造り,政次郎を祀ったとのことである。政次郎の墓は南方にある。昭和48年,この池を中心に大型遊園地が開設された。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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