100辞書・辞典一括検索

JLogos

11

祝島
【いわいしま】


熊毛郡上関町祝島に属し,熊毛半島の南西約15kmの周防(すおう)灘に浮かぶ島。熊毛群島の1島。面積7.56km(^2)。柳井(やない)市の柳井港から,長島(上関町)の上関港や四代港を経て,2時間半の定期船が1日2便就航。地質は,周囲を取り巻くように急崖をつくってあらわれている古生代の黒雲母縞状片麻岩が基盤をなし,その上に新第三紀の両輝石安山岩が広く覆い,山頂部は比較的平坦だが,急斜面に囲まれた高台状の地形を呈し,最高部は山惣津山(357.4m)という。西側に三浦湾があるが低地に乏しく,集落は北東岸の急斜面下に発達した崖錐と砂州からなる半円状の小低地に立地する。島の少ない周防灘の東端に位置し,海上交通の要衝にあたる島として知られた。「万葉集」巻15には「伊波比之麻」の歌が2首詠まれている。江戸期には岩見島と呼ばれ,大島郡に属し,毛利水軍村上氏の給領地の1つであった。畑地のミカン園化が進んで果樹園の島としても知られ,現在でも柑橘類やビワの栽培が盛ん。周辺は好漁場に恵まれ,一本釣りや延縄が盛んで,タイ・スズキ・アナゴ・カレイ・タコなど年間200tの水揚量がある。小田にあるケグワの巨樹は県天然記念物で,また4月上~中旬には30余種3,000本の山桜が開花して全島を覆う。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7191934