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浮島
【うかしま】


大島郡橘町浮島に属し,土居港の北東約5kmの広島湾に浮かぶ島。面積2.39km(^2)。周防大島諸島の1島。浮島江ノ浦港,また同郡久賀町の久賀港から東へ約8kmの浮島樽見港・江ノ浦港とを,それぞれ35分・50分で結ぶ定期船がある。北方に,約130mの橋で結ばれた頭島(0.5km(^2))がある。島の地質は大部分が領家帯新期花崗閃緑岩からなり,なだらかな丘陵性の地形を示し,最高点は167.1mで,島の南端に小半島をなす輝石安山岩からなる小円頂丘の見壁山(134m)がある。集落は南岸に江ノ浦,北端に樽見,西端に楽ノ江がある。室町期には大内氏と深い関係にあった海賊衆宇賀島衆の根拠地であったが,弘治元年厳島合戦で陶晴賢軍に属して全滅し,無人島となった。江戸期には,「地下上申」では大島郡平野森村明細絵図添書にみえ,蔵入として新開田方51石6斗余・畠方11石2斗余,友沢四郎左衛門領として32石5斗余とある。明治・大正期に島外への出稼ぎが盛んとなり,男子はハワイまで出かけた。島の周辺は好漁場に恵まれ,早くから共同経営によるイワシ船引網漁業が盛んで,現在でも島の主幹産業である。サワラ・スズキ・メバル・タイ・トリガイの漁獲も多く,フグ・ハマチの養殖も行われている。農業は,品質のよい温州ミカンの生産で知られる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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