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内浦
【うちうら】


大島郡橘町・東和町,屋代島北部の安芸灘に面する海岸。これに対して,伊予灘に面した南側の海岸を外浦と呼ぶ。「東和町史」には,「内浦は神崎と,下田の西3kmの符崎との間の奥の深い入江を指す」とあり,島末と呼ばれる屋代島東半地域の主要な位置を占める。湾内は比較的浅いうえに,我島や真宮島などの島や暗礁が多いため,海難事故も多かったという。中世には海賊の拠点になって,桑原氏などがいた。当時,海賊と呼ばれた者は,主に漁業を営む海人の集団であったと考えられ,漁間期には船を利用して荷物や客の運送,あるいは商船の警固や水先案内などに従事していたという。入江の湾奥の砂浜は揚げ浜の塩田に利用され,中世から近世にかけて長崎浜・平野浜・森などで製塩が行われた。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7192005