100辞書・辞典一括検索

JLogos

19

黄金洞
【おうごんどう】


大小2つの洞窟が並んでおり,夫婦洞ともいう。青海(おうみ)島の西北端,長門(ながと)市仙崎にあり,北に向かって開口する海食洞。北長門海岸国定公園の南西部に位置する。青海島の大部分は白亜紀の石英安山岩や流紋岩質の凝灰岩類から成るが,突出部は花崗岩より成っている。南北方向で直立する節理に沿って発達した本洞は,海水に反射した光線が花崗岩に含まれる石英や有色鉱物にあたって黄金のように輝いて見える。東側の洞窟が大きく,奥行き約80m,高さ32m,水深8m,入口の幅13m,中央部の幅15m。西側の洞窟は入口の幅約8mで,奥行きは深いが次第に幅が狭く,洞内が暗くなるため壁や天井の黄金色は東側と比較して見劣りする。西洞は洞奥の海底で通じているといわれる。両洞とも中ほどまで観光船が入り,青海島めぐりの代表的名所。長門市仙崎港から約26分。この付近には,コウモリが翼を広げた形のこうもり洞,観光船が通り抜ける観音洞など洞窟が多い。洞内はイワツバメが飛び交い,奥深い天井や壁にはユビナガコウモリが棲む。これらの洞窟は北風のとき,波浪が激突して大音響を発し,壮絶な景観を演出する。黄金洞の東側に続くテーブル状岩を平家台といい,白い石英斑岩に半花崗岩が貫入して幕岩をつくる。その東側で大きな岩脈の傾いたものを源氏の白旗と呼ぶ。大正15年10月,青海島海岸一帯は国の名勝および天然記念物に指定された。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7192086