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大吼谷蝙蝠洞
【おおごうやこうもりどう】


豊浦郡豊浦町小串に所在する海食洞。響灘に突出する笠松ノ鼻北西部の海食崖に発達する。小串漁港の防波堤の北側に続く石切という約60mに及ぶ花崗岩断崖の北端に2つの海食洞がある。西側の垂直に屹立する岩壁下に開口する大きい洞が本洞で,東側のものはお陸三吼谷と呼ぶ。入口の幅約2m,海面から天井までの高さ約4m,奥行き約40mの洞窟は内部に進むほど広く,幅3~10m,天井の高さ3~6mで,断崖と平行にほぼ北向きで開口する。洞内は小船で観察できる。洞窟は南北方向に発達する鉛直性の節理と海食が小断層面に沿って進んで形成された。冬の季節風による怒濤が洞内で激突して大音響を発し,それが獣の吼え叫ぶ声に似ていることから大吼谷の名称が生じた。洞窟内部にはユビナガコウモリが天井や洞壁に密集生息している。洞窟は昭和3年3月,国天然記念物に指定された。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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