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大津島
【おおつしま】


徳山市大津島に属し,徳山湾の北西から南の湾口にかけて位置する島。面積4.67km(^2)。南北約7kmにわたって横たわる沈水島で,周南諸島の1島。地質は北東岸に沿って白亜紀の黒雲母花崗岩があらわれているが,大部分は三郡変成岩の黒色片岩からなり,やや起伏の大きい標高140~160mの丘陵性の地形をなし,最高点はほぼ中央の大浴山(174m)。海岸線は急斜面や海食崖によって囲まれ,平地に乏しいが,徳山湾側の北東岸の緩斜面や狭小な砂浜海岸に近江・瀬戸浜・刈尾・天ケ浦・馬島・柳ケ浦,北西岸の小湾頭に本浦の集落が立地する。徳山港から刈尾港を経て馬島港へ至る40分の馬島航路,徳山港から瀬戸浜港を経て本浦に至る65分の本浦航路があり,1日10往復(うちフェリー4往復)している。地形上,もとは大津島と馬島の2島に分かれていたが,小瀬戸を繋ぐ満越と呼ばれる砂州地形の発達によって1島となった。江戸後期の防長両国明細絵図(県文書館蔵)には,満越の砂州部分を人工的に掘って舟通堀切としていた様子が描かれている。江戸期は,主として本土側福川浦と大津島本浦の間に海上2里の舟運があった。周南諸都市に近い沿岸島で,瀬戸内海国立公園の一部をなし,刈尾海水浴場や磯釣りは夏の観光客が多い。人間魚雷回天基地のあった島で,昭和43年回天記念館が建てられ,ここを訪れる人も増えている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7192153