小野湖
【おのこ】

厚東(ことう)川中流にあるダム貯水池。宇部市木田に位置する。昭和24年完成の県営多目的ダム厚東川ダムによる貯水池で，ダム建設により，宇部市小野地区の櫟原(いちいばら)・臼木・下小野・両川・鍛冶屋河内，同市二俣瀬地区，厚狭(あさ)郡の旧吉部(きべ)村（現楠町）などの民家169戸，田畑160haが水没した。ダムの堤高38.8ｍ，堤長162ｍ，総貯水量2,378万8,000m(^3)，湛水面積2.85km(^2)。洪水調節・灌漑用水確保・発電を行い，さらに宇部・小野田両市へ上水道用水・工業用水を給水する。小野湖には毎年コイ10万尾，ワカサギ500万卵を放流しているが，フナ・ハヤ・ワダカ等の自然繁殖も豊富で格好の釣り場となっている。湖岸は茶の栽培地であり，「山口茶」の名で知られている。また付近一帯は緑豊かで風光明媚な自然に恵まれ，ハイキングコースやゴルフ場もあり，国道２号からも至近距離に位置していることからレクリエーション基地となっている。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7192296