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笠佐島
【かささじま】


大島郡大島町笠佐島に属し,柳井(やない)湾奥に浮かぶ島。面積0.94km(^2)。大島町の小松港から北西へ約2kmの笠佐港まで,1日3往復の定期船がある。地質は領家変成帯の片麻状花崗閃緑岩からなり,低い丘陵性のなだらかな地形をなし,最高点は115m。南東岸はやや急で岩浜海岸をなすが,大部分は砂浜海岸に囲まれ,特に北岸は夏には海水浴場としてにぎわう。東端のわずかな低地に集落が立地する。荒廃していた田畑を対馬藩士中村与左衛門が開拓したといわれ(県風土誌),「地下上申」では石高82石5斗余(山役石8石を含む)。「注進案」には,田畑10町8反余・高93石8斗余,家数35軒・人数179人で,島外への出稼者が多いとある。島民は対岸の玖珂(くが)郡大畠町遠崎の妙円寺門徒で,かんまん宗の島として知られ,島には墓がない。専業漁民はいないが,島の東方大畠瀬戸はタイの好漁場として有名で,島の周囲も釣り客が多く訪れる。産業は農業が中心で,水田・ミカン園がみられる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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