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鹿野盆地
【かのぼんち】


県中央東寄りに位置し,錦川上流部の大潮川と渋川や今井川が合流する都濃(つの)郡北部の浸食盆地。鹿野地区を中心とする盆地面積は約8km(^2)。渋川との合流点付近から向道湖(徳山市)岸までの錦川西岸には2段の河岸段丘が発達,小谷で区切られながら連続する砂礫段丘面は低地の半ば近くを占め,県内のほかの河川に比べてその割合は広い。段丘面上は灌漑用水や飲料水の入手が不便なため,「注進案」にも井手と長大な溝の記事が他地区に比べて多く記されている。なかでも,漢陽寺裏山を貫いて導水する潮音洞(県史跡)は,灌漑用水確保に重要な役割を果たした。盆地一帯は標高340~380mの周防山地内陸の高冷地で,年平均気温は県下最低の12.6℃,最高気温は24.8℃(8月),最低気温は1.5℃(1月)。和紙製造に適しており,現在でも秘密尾(ひみつお)地区では楮や三椏が栽培されている。周南工業地帯のレクリエーション地域化をめざし,冷たく清い川水を利用したヤマメ・マスの養殖場や釣堀やワサビ田がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7192404