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壁島
【かべしま】


豊浦郡豊北(ほうほく)町神田上に属し,支度海岸の北西300mの響灘に浮かぶ岩島群。北西から南東に連なる花崗岩の岩脈が,海食によって竜宮瀬・大瀬・中ノ瀬・池ノ瀬・鳥塗瀬などの岩島に分かれたものだが,干潮時にはほとんど1つの島になる。面積1,100m(^2)。最高点は竜宮瀬の5m。「地下上申」には「壁之やうニならび有り候故,壁島と申ならわし候由申伝候事」とあり,「注進案」には「草木無之候」と記されている。ウ渡来地として昭和9年国天然記念物に指定されており,11月下旬頃から翌年3月中旬頃まで,日本海西部から響灘や関門海峡一帯にかけて生息するウミウが壁島で越冬する。江戸期に禁猟区であったこともあり,長年の間に堆積したグァノ(鳥糞)によって白壁の岩島に見えるところからその名が生じたとも考えられる。グァノは燐酸肥料として採掘され,大正年間には年30~40俵(1俵3円)を販売したという(神玉村郷土誌)。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7192408