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烏島
【からすじま】


柳井(やない)市伊保庄に属し,伊保庄の近長海岸の東約500m,柳井湾内にある島。面積0.05km(^2)。無人島。地質は領家変成帯の古期花崗岩類の片麻状花崗閃緑岩からなり,小丘状の地形をなし,最高点は33m。周囲はほとんど岩浜だが,北岸の一部にわずか砂礫浜がある。樹木がよく繁る緑濃い小島で,島の少ない湾内ではすぐれた景勝地をなす。「地下上申」には「からす島御立山」とあり,藩有林であった。「注進案」には「鴉島 人家無之 在近永沖 海上渉り十丁余にして高サ九間余,周廻十八丁ニ而松竹雑木鬱々として遐邇の鴉此島を栖とし,最朝ハ暁を遅しと隣里郷外に散乱し,暮ハ後先を争ひ翔して塒に帰り,旦夕に往来する事空を覆ふて雲の如し,海渚にハ鷗鷺及蚌蛤の類多く,総て島の近辺雑魚生立能く四季漁舟沢山ニ参候事」と述べている。大正14年,若山牧水が門人で伊保庄在住の村上磐太郎(可卿)を訪れた時に詠んだ歌,「からす鳥かげりて黒き磯のいはに千鳥こそをれこぎよれば見ゆ」の歌碑が島内の岩の上にたつ。柳井市街地から約6km程の近郊にあり,周囲は磯釣りの好漁場として知られる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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