下荷内島
【しもにないじま】

大島郡大島町に属し，柳井湾の湾口に位置する島。面積0.31km(^2)。安山岩からなる溶岩円頂丘の地形をなす。同じような円頂状の上荷内島が約1.2km離れてあり，天秤の両荷にたとえて荷内島と呼ばれたようである。上荷内島の面積0.13km(^2)，最高点はともに109ｍ。「地下上申」によると，戸田村の御立山10か所のうちに下荷内山・上荷内山があり，一部は藩直轄林であった。また，上荷内島の山石３斗，下荷内島の山石７斗とあり，残りの草山は津海木村の草刈島として利用された。さらに両島の北側の海面に「鰯網代」とあり，室津浦から請けた網役石の分と思われる。上荷内島の南は航路にあたるが，「注進案」によると，同島の南約260間の沖に広さ130間四方の下島礒と呼ばれる暗礁があり，航路上の難所であった。昭和２年頃より下荷内島南西側の緩斜面が開拓され，桑や除虫菊が栽培され，同10年頃からミカン園がつくられ，現在６町歩の果樹畑がある。定住者はいない。下荷内島の山頂部に設置されている灯台の高度は118ｍ，光達距離は18海里。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7193082