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水練池
【すいれんのいけ】


萩市江向の明倫小学校校地内にある人工池。嘉永2年,萩藩主毛利敬親が堀内にあった藩校の明倫館を当地に移転・再建した時に掘られた。もともとその西側一角に湧水があった場所である。四方を玄武岩の石垣で築き,その周辺に切石を巡らし,東西39.5m,南北15.5mの長方形をなし,深さ1.5mの池。現在は改造されて東側と南側に池へ下りる石段があるが,かつて東側中央は騎馬で池まで駆け下りられるように斜面になっており,西側にも石段が設けてあった(安藤文庫図面)。明倫館は水泳を正課としており,この池で遊泳術や水中騎馬の訓練をした。また,非常用防火用水も兼ねていた。もとは単に用水または池と称されていたが,昭和4年の国史跡指定以来水練池と呼ばれるようになった。明治9年,前原一誠らが起こした萩の乱のとき,明倫館跡が前原党護国軍500名の本拠地となり,これを鎮圧するために派遣された政府軍が銃器・弾薬を奪い池に投じ前原党に大打撃を与えて以来,焔硝(えんしよう)池とも称された。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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