100辞書・辞典一括検索

JLogos

12

仙島
【せんじま】


新南陽市富田に属し,徳山湾内に浮かぶ島。面積1.794km(^2)。南西端で西方の黒髪島東端と約100mの砂州でつながり,そこから北東端の州鼻まで約3.2km,幅0.5~1km。全島白亜紀の黒雲母花崗岩からなるが,丘陵性の地形をなし,最高点は160.8m。沈水島であるため沿岸に平地はなく,周囲はほとんど岩浜海岸で,北岸の田ノ浦や北東端の州鼻付近に干潮時にわずか砂浜海岸があらわれるだけである。大部分がアカマツなどの常緑針葉樹で覆われ,国有林。「地下上申」によると徳山領富田村に属し,石高は田1石5斗とあり,対岸350mにある竹島からの出耕作であった。明治38年徳山町海岸に海軍煉炭製造所が設置され,徳山湾内への海軍艦船の入港や停泊も多くなり,昭和13年には海軍要港となり,仙島の海岸の各所に給水タンク,州鼻の丘(東双観)には海軍見張所が設けられた。同24年北東端の台地を拓いて孤児養護施設希望の家が開設され,付近には農地5haが開墾された。同42年施設は精神薄弱児収容施設となり,同43年都濃(つの)郡鹿野(かの)町に移転。現在は島の南端の白浜に戦後入植した農家1世帯・2人が居住しているのみ。黒髪島との間の砂州付近はキャンプ場・海水浴場として知られ,砂州の東側には,大正5年徳山湾内で爆発を起こして沈没した戦艦河内の殉難者英霊之碑がたつ。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7193375