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立島
【たつじま】


大島郡橘町西安下庄に属し,安下庄湾の湾口東寄りに位置する。対岸の同郡東和町伊崎の集落より1.3km。面積0.2km(^2)。地質は白亜紀の花崗閃緑岩からなり,最高点は87.8mで,南岸は30~40mの海食崖が続き,北半部は低い丘をなし,北岸の内湾側に砂浜が見られる。東岸の小さい入江に沿ってわずかに低地があり,小集落がある。植生はクロマツの林に覆われ,わずかに畑地が残る。昭和60年現在1世帯・1人が住むだけで,交通は安下庄港から3日に1回郵便船が通う。「地下上申」によれば,江戸中期に小集落が立地していたことが知られ,「立ツ島と申ハ先年島の近辺にて竜潮を巻上ケ,そらへ立のぼりし景気を見て人皆さわぎしゆへ立島と申伝候」と記している。江戸後期の「注進案」では人家50軒,合壁山(百姓私有林)が41町8反,立銀19匁6分8厘。島の開拓は沖家室島の林家によって行われたといわれる(東和町誌)。昭和35年には33人が住み,ミカン畑が台地や斜面に拓かれていたが,人口は急激に減少し昭和40年7人,同50年3人,同60年1人となって現在に至っている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7193499