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角島
【つのしま】


豊浦郡豊北(ほうほく)町角島に属し,同町の島戸浦の北西1.5~2km(海士ケ瀬戸)響灘に浮かぶ島。面積4.09km(^2)。神田海岸の特牛(こつとい)港から定期船が出ており,約30分で連絡する。東北東―南南西方向に約4.5kmの細長い島で,中央のくびれた地峡部は幅220m。島の地形・地質は地峡部を境に東半部と西半部でかなり異なり,東半部は新第三紀の砂岩・泥岩層を基盤とし,その上に噴出した第四紀の玄武岩が標高50~60mの台地状の地形をつくるが,西半部は古第三紀安山岩を基盤に第四紀の玄武岩が噴出し,さらに砂礫層が広く覆い,標高30~40mの丘陵状の地形をなす。島の北岸一帯は砂浜海岸となり,特に北西岸には砂丘が発達し,飛砂が標高20m付近まで覆っている。沖合いを北東流する対馬暖流の影響で,県内でも最も暖かい所であり,降霜日数も年間5日程度である。植生は耕地化が進んでいるので自然林は少なく,元山一帯はクロマツを主とする2次林がほとんどで,尾山付近に広葉樹林がかなり残る。角島のハマオモト群落は分布北限に近い重要なもの。集落は東部の台地や斜面に農村的な元山が立地し,西部南岸に漁村的な尾山がある。周辺は岩礁が多く,ブリ・サバ・イワシ・イカの好漁場で,島の漁業は釣り・刺網・延縄・敷網などが盛ん。特に,島の北西8kmにある水深11mの浅堆にある潮巻漁場には県外漁船も多く集まる。また角島は,西長門海岸県立自然公園に含まれる景勝地であり,北岸の大浜と牧崎にはキャンプ場の施設が整備されており,磯釣りやキャンプ・海水浴のシーズンには北九州方面から約3万人の観光客が訪れる。近海は本州西辺の海上交通の要衝でもあり,夢ケ崎の角島灯台や無線方位信号所がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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