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寺山の穴
【てらやまのあな】


寺穴・寺山洞ともいう。美祢(みね)郡秋芳(しゆうほう)町別府にある網状矩型の横穴石灰洞。寺山山腹,標高116mに北東を向いて開口する。その一部は古くから知られ,4つの主洞と3つの連絡洞から成る。測線延長は1,533m。第1主洞は,洞口ですぐ右に曲がって北西に延びる259mの部分をいう。幅約7mのドーム状の洞口から約30°の下り坂を30m進んだホールの南西部には,洞内プールと地下水流が見られる。洞床には黄褐色火山灰質粘土が1m以上堆積し,標高100m付近にノッチが刻まれている。この通路の途中南側の小さな割れ目から,全長約122mの第1連絡洞があり,高さ10mのクラック壁を登ると第2主洞が北西から西方向に約354m延びて奥のホールに至る。奥のホール南東部から水平天井を持つ第2連絡洞を約95m進むと第3主洞の中央交差点に出る。交差点の南東方向にある巨大プール(直径約40m,深さ10m以上)をはじめ,東西に交わる洞内にも水流と洞内プールがある。第3主洞の延長は464m。全洞に粘土の堆積とノッチが分布し,交差点南壁には幅1.8m,深さ1.2m,長さ15mの大規模ノッチが刻まれている。洞口から南方向に延びる第3連絡洞から8.3mの崖を下ると第4主洞に至る。南東方向へ全長239mの第4主洞は,二次生成物や溶食微形態に恵まれ,標高93mのノッチを持つ。地下水は所々地下に潜りながら第3主洞・第1主洞・第4主洞の順に流れ,第4主洞に5か所の洞内プールをつくり,南東端から地下に潜入している。JR美祢線於福駅東方の入水の穴から吸い込まれ,嘉万ポリエの白水の池の穴に至る主支流と考えられ,本洞の入口には水の出入はない。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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