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徳山扇状地
【とくやませんじょうち】


周防(すおう)灘沿岸に位置し,周防山地南縁の三郡変成岩地帯を開析して南流する東川の河口に発達した三角州状扇状地。扇状地は,1,000分の20程度の急勾配を示す。扇状地の東縁は東川が扇頂部で約10mも掘り込み,その東側には旧扇状地であった洪積段丘が分布する。洪積扇状地の範囲は4.2km(^2)と推定されるが,東川と西流する山田川の浸食で残された扇状地面は約2km(^2)となり,河床部にのみ沖積層が覆う。残された扇状地面の高台は,江戸期の徳山藩主毛利氏の陣屋跡で,現在の徳山市文化会館から市立動物園までの地域にあたる。徳山扇状地と末端の三角州や海面埋立地の面積は,梅花川以西の徳山市域で計測すると,岐山山麓の崖錐地を宅地化した金剛山や北山の約0.4km(^2),扇端部と富田川三角州の間にあって元禄13年に干拓された江口浦山開作および文化元年の江口新地開作の0.9km(^2)を加えた約10km(^2)である。扇状地の東側に広がる広島花崗岩の瀬戸内面に属する丘陵地には,周南工業整備特別地域のベッドタウンとして大規模な周南団地が造成された。都市機能分化の進展により,徳山駅前地区で人口のドーナツ現象が見られるが,徳山市総面積338.3km(^2)の約2.9%に当たる扇状地関連地域と周南団地の人口は,総人口の約55.2%を占める。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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