100辞書・辞典一括検索

JLogos

12

端島
【はしま】


岩国市柱島に属し,安芸灘に浮かぶ島。面積0.67km(^2)。柱島群島の1島で,主島柱島の北西1.5kmに位置する。領家変成帯の片麻状花崗閃緑岩からなる丘陵性の沈水島で,中央でくびれ南部と北部に分かれる。最高点128mの三壁山のある南部はほとんどが樹林だが,北部はタコウ山(102.3m)を中心に東西に長く,丘陵性の斜面はよく耕地化されている。西端に是崎,東端に秋常島と呼ばれる小陸繋島があり,砂浜海岸となっている所が多く,東海岸柳ケ浦の良湾に臨んで集落が立地する。1日3往復の岩国~柱島間の定期船が寄港する。「享保増補村記」に戸数23・人口82,田1町・畑9町,牛11頭とあり,「玖珂郡志」には「安宅又右ヱ門開也。然ニ遠島故,持方難成ニ付テ,替地御配。明暦四年ヨリ御蔵入ニ相成候事」とある。「地下上申」の柱島村地下図によれば,南部の三壁山は大部分が草山で,中央の地峡部に2つの池があり,北部には各地に耕地が分散して拓かれており,柳ケ浦には集落を表わす家型が19軒ある。また,北岸に船瀬浜の砂浜海岸が発達し,秋常島の陸繋砂州部には「此浜大潮に越」とある。島の石高は,明暦4年80石余,寛文12年の検地で52石余,幕末には60石余であった。半農半漁村の島で,ミカン・野菜栽培が盛ん。島の周辺は一本釣りや建網,小型船引き網の好漁場だが,近年はハマチ・タイ・フグの養殖が行われ,ハマチの水揚高が多い。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7194095