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彦島
【ひこしま】


下関市に属し,関門海峡の西口に位置する島。面積9.82km(^2)。漁港閘門・関彦橋・彦島大橋の3橋によって本陸と結ばれている。大部分の地質は中生代白亜紀の火山性砕屑岩や凝灰岩からなり,100m程の起伏をもつ丘陵性の地形をなす沈水島で,東部は平地が少ないが,北西部には第三紀の砂岩・礫岩(貝化石層産地の標式地)からなる低い台地が砂州でつながって比較的平地をなす。南側の福岡県北九州市との間の水道を大瀬戸といい,西日本海運の動脈である関門航路が通じるが,北側の小瀬戸は埋め立てられ,狭い水域が下関漁港として修築整備された。明治期以降北九州工業化の影響下に金属・化学・造船の諸工業が興り,下関の工業都市化の先駆的役割を果たし,現在では下関市工業人口の3分の1程度を彦島が占める。一方,彦島の西山は戦前から温室栽培で知られ,近郊農業の先進地でもある。戦時中砲台のあった老ノ山は公園化され,響灘や北九州の展望台としてすぐれている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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