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平郡島
【へいぐんじま】


柳井(やない)市平郡に属し,熊毛半島の南東約4kmに平郡水道を隔てて瀬戸内海に浮かぶ島。面積16.74km(^2)で,屋代島に次ぐ県内第2位の島。柳井港から平郡島の西浦まで1時間,さらに東浦まで40分,1日2往復の定期船が就航している。地質は,南東岸に一部白亜紀の花崗岩にあらわれる所があるが,大部分は新第三紀の輝石安山岩類からなり,比較的起伏のある地塊山地が沈水した島で,平地に乏しく,標高468mの深山が最高部をなす。集落は,西岸の湾頭の小低地に農村の西浦(伊場・鶴甫からなる),島の東端の小湾頭に農村の羽仁と漁村の東浦が立地する。東の集落は平安末期木曽義仲敗軍の後,紀伊国鈴木氏が来島し,また西の集落は暦応年間伊予国河野氏の一族浅海氏が来住して開拓したと伝える(注進案)。農産では柑橘類の栽培が年間1,400tと最も多く,近年島の北西端にある蛇ノ池の水を揚水して灌水施設を設置し,串山一帯の樹園地の整備が進んでいる。また,島の周辺はタイ・スズキ・カレイ・タコなどの好漁場で,早くから平郡ダコは特産として知られた。島の周辺は海岸美にすぐれ,特に南東岸の五十谷付近は海水浴場・キャンプ地として夏の観光客や遊漁客が多く訪れる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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