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弁天池
【べんてんいけ】


美祢(みね)郡秋芳(しゆうほう)町別府字堅田にある湧泉池。この地の開拓当初,水を探し求めて祈ったところ,弁財天を祀り,青竹を杖に水をたずねよとのお告げを受けて発見された恵みの水と伝わり,「池中誠に鏡の如し,田地六十丁余に掛,池水満々として実一郷の重宝也」とある(注進案)。西秋吉台の北麓に発達した狭いカルスト平野の北隅にわき出るカルスト湧泉。泉の面積300m(^2),水深3m,水温は年間を通じ14℃で一定。一日5万5,000m(^3)の湧水があり,堅田・湯ノ上・下嘉万地区の約70haを灌漑する。ほかに上水道用・マス養殖用と多目的に利用されている。1,100年程前,池のほとりに厳島神社の分社を守り神として据えたと伝わり,池そのものも人々の信仰の対象になってきた。厳島神社は別称を堅田弁財天社といい,毎年9月8日の秋祭りに湧泉に感謝の意をこめて念仏踊りが奉納される。この念仏踊りは,昭和51年,県無形民俗文化財に指定された。今日,弁天池は県下一の清冽な泉といわれ,昭和60年7月,環境庁の名水百選に認定された。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7194439